専修医コメント鈴木 馨斗
日本大学医学部 外科学系心臓血管外科学分野
特任専修医
鈴木 馨斗
大学卒業後は日本赤十字社医療センター 外科コースで初期研修を修了しました。初期研修修了後の進路としてはそののまま後期研修医として残る、他の市中病院に行く、他大学の医局に入局するかで迷ってました。色々な病院を見学しましたが、母校の教授が変わったということもありひとまず見学に行ってみようと思ったのが、私の将来への第一歩となりました。見学に行ってみるとこれまで大学のポリクリでみていた医局とは違い、みんな楽しそうに仕事をしていて雰囲気が良く、0からのスタートということで今までにやったことのない新しいことをどんどん取り入れていくという医局運営にものすごく惹かれました。手術件数が多い病院や医局規模の大きい病院は他にもたくさんあるのは間違えないと思いますが、やはり居心地がよく自分の力を最大限に発揮できる環境で働くのが一番いいのではないかと考えました。私はその1回の見学で自分の働く場所はここなんだなと確信し2016年4月に入局することを決めました。
当医局の最大の特徴はチームを大切にしているということです。
手術では執刀医以外にも各々役割が与えられ、全員で手術を完成させる姿勢が求められます。たとえば第二助手であろうと、手術の流れを細部まで理解し、執刀医をサポートすべく多くの仕事を的確にこなさなければなりません。そして第二助手の仕事を全うできるようになると第一助手、執刀医へとstep upできる仕組みになっています。
それぞれの役割が明確化されているので自分のような若手が執刀医になっても、安全に手術が行えるような環境が出来上がっています。また、いきなり執刀医が回ってくるのではなく開胸、カニュレーション、閉胸等をstep up形式で行うことにより確実に自分に力がついた時点で執刀をさせていただけます。実際に卒後3年目で部分肺動脈還流異常症根治術、三尖弁形成術、MAZE手術の経験をさせていただきましたがstep up形式で色々な経験をしているので手術に自信を持って行えることも多く、1年間での成長を身に染みて感じることができました。
日常の病棟業務に関しても毎日朝、夕と全員で病棟回診を行いますが、若手だからといって上司の指示を待つことなく自分の考えが求められます。何かあったら必ずバックアップがいて安全な体制作りがある中で、自分で考え自分で治療を進めていかなければならないことも数多くあります。また外勤の関係で毎日大学にいることが難しいので、しっかりと残り仕事なく引き継ぎをしチーム全員で一人の患者さんを良くしていくといった体制も素晴らしいなと思いました。
また大学病院であるので臨床だけではなく基礎の研究や論文、学会発表等でもこれまでしたことないことをたくさん経験することができました。症例報告の英語論文投稿、地方会での発表、薬を用いた臨床研究、大動脈疾患の基礎研究と数多くの経験をし充実した日々を過ごしています。
若手医師で執刀の経験を多くしたいと考えている人はたくさんいると思います。もちろん個の成長として考えるのは当然のことですが、手術はチームで行うものであり、安全にレベルの高い手術を行えるかどうかに尽きると思います。普段の業務をしっかり行っていれば必ずチャンスは回ってくるものであり、自分を上手くアピールしチームとして溶け込み、いかに上司から認められるかが大切になってくるのではないでしょうか。チームを考え、周りに意識を向けられる人は自分に余裕のある人であり、気付いたらそれが自分の成長にも繋がっていると思います。
新しくなってまだ数年の医局ですが、常に新しいことにチャレンジし若手が中心になってチームを作っていくことの楽しさを共有したいと思っていただけるのであれば、一度見学にいらしてください。
専修医コメント町井 洋二郎
日本大学医学部 外科学系心臓血管外科学分野
専修医
町井 洋二郎
2018年に日本大学を卒業し、今年度より入局いたしました町井洋二郎と申します。大学卒業後は聖路加国際病院で初期研修を行いました。医師3年目の進路を決める際は、母校の心臓外科に入局するか、市中病院に入るかという点で非常に悩みました。今回出筆の機会をいただきましたので、実際に入局してみて感じたことを書いてみようと思います。
私が入局の際に最重要視していたことは、どれだけ成長できるのか?という点です。具体的には、手術をどれだけ経験できるのか、研究・論文出筆の環境は整っているか、海外留学はできるか、等々です。大学病院、市中病院にそれぞれ長所、短所はあると思いますが、大学病院の長所としては、アカデミック面の充実、学位取得、海外留学のコネクション、関連病院の多さ、などが挙げられると思います。私は、将来臨床面、研究面で共に活躍したいと考えて、母校に入局を決めました。
当科の手術では、1つの手術に4〜5人入り、それぞれの位置で役割が与えられます。ただ見学するだけでなく手術中の各々の役割を担って参加することで、手術の手順も覚えられ、若手にとっては非常に良い環境であると考えています。実際に入局して3ヶ月目に入るところでありますが毎週手術に助手として入り、その中でカニュレ−ションの前立ちなども経験しています。自分の努力次第では入局1年目に開心術の執刀の機会も与えていただけるようです。本院で手術のない曜日は、若手が順番に関連病院に行くというスタイルができており、手術数には恵まれていると感じています。
研究面では、先輩の行っている研究に参加させていただき、自分の研究への準備を行なっています。先輩が後輩に研究のバトンをつないでいく文化があると感じています。また大学病院ならではの症例もあるため、Case reportの作成の機会も多くありますし、日常の臨床の疑問点をすぐに研究し原著論文、学会発表として世間に公表する環境も整っています。
手術件数や医局員の数で見ると、もっと大きな組織はあると思います。しかし、これから自分たちの力でこの医局を大きくするということに非常に大きなやりがいがあると思っています。我々と共にチームを強くしようという志のある先生をお待ちしております。
One team!!
専修医コメント花村 太輔
日本大学医学部 外科学系心臓血管外科学分野
専修医
花村 太輔
2019年に日本大学医学部を卒業し、2021年より入局させていただいた花村太輔です。
卒業後は、現教授の田中教授が赴任されていた湘南鎌倉総合病院にて初期臨床研修を行いました。
私が大学5年の際、田中教授が板橋病院に赴任され2年目でした。大学の臨床実習の最初の科が心臓血管外科であったことは何か運命を感じます。
その際に、医局の高いモチベーション、若手への熱い指導、患者様にとってどの様な治療が最適かを考える姿勢などを学生ながら感じとることができました。
また、若手の執刀のチャンスも与えられ、STEP UP形式で執刀をしている姿も魅力的でした。卒後3、4年目の先生が日中の病棟管理を任されており、術後管理なども積極的に学べることもできる環境でした。
私は、手術だけができる心臓外科を目指していません。最終的には術後管理はIntensivistによる管理がよいと考えますが、病棟管理や内科的な知識があってその管理を理解することと知識がないまま一任するのでは全く意味が異なります。
大学6年になり、外部の様々な施設を見学いたしましたが、若手へのチャンス、働く環境、チームによる教育、医局の方針などを考慮した上で当医局への入局を学生の時から考えておりました。
学生の時の諸経験があり、高いモチベーションを維持することができ、初期臨床研修は心臓外科以外の様々な知識を得るために日本一救急車の台数が多い病院での研修を決め、とても充実した研修を送ることができました。
入局して2ヶ月が経過しましたが、上級医の先生のサポートがある中、大腿動静脈の血管露出、大伏在静脈の採取、送脱血管のカニュレーションの前立ち、全弓部置換術の腕頭動脈再建の縫合の一部などを経験させていただいております。当医局の特徴は、関連施設の多種多様な環境です。関連施設でのトップの先生の手術を大学の手術日以外で学ぶことができます。
一つの決まったやり方でなく、様々な手術方法を見学することができます。そういった様々な環境の中で、上記の様なチャンスが降りてきた際に掴み取ることが大事だと考えており、そういった環境が魅力的です。
論文発表、研究に関しても様々な機会を与えられます。
私は、正直論文などが得意ではありませんが、若い先生の中には論文発表を3、4年目で行った方がおり、上級医の先生だけでなく自分に近い学年の先生が論文作成の環境を作って下さっていることも魅力的でした。決して受け身ではなく、自発的に論文作成をすることができます。現在、私も論文発表の準備を始めております。
これからの日本大学医学心臓血管外科をより大きくするために、私達と同じく高いモチベーションを持っている先生方の力が必要です。心臓外科を目指す熱い志を持つ方はぜひ見学にいらして下さい。